3月29日
藤原杜氏日記23酒造年度vol.12
「やっと春かな」
例年であれば紅梅が咲き空は明るく輝き冬物のジャンパーを脱ぎ捨てる時期ですが今年はやっと昨日あたりからその気配を感じられる様になりました。それでも空気はまだひんやりしています。今年は岩手から来ている蔵人が楽しみにしている放免桜を見てから帰ることは無理そうです。昨年も少し開花が遅れたので社長が写真を送ってくれました。
昨年の10月20日に蔵入りしてから、東日本の震災で大変な中いつもどおり酒造りができる事に感謝しながらの毎日でした。蔵人の皆さんにも大分無理な事もお願いしたりしましたが皆さんイヤな顔もせずに黙々と仕事をこなしてくれました。つくずく良い蔵人に恵まれたと思います。来月の1日に故郷に帰らせてもらいます。帰ったら福井県の自慢話を沢山聞かせながら太陽の光をいっぱい浴びて緑の植物から沢山の力と感激をもらいまた元気でお目にかかりたいと思います。有難う御座いました。


3月19日
藤原杜氏日記23酒造年度vol.11
「三寒一温」
明日は春分の日だと言うのに暖かくなりません。会社の屋上にも雪が残っているし廻りの低い山にも沢山の雪が残っております。今頃蕾の先端が赤くふくらむ木蓮も硬いままです。
空は少し明るい青空が時々見られますが、いつもならぽかぽか陽気で思わずカメラバックを肩に掛けて外に出て散歩したくなるのにそんな気はおきません。車のタイヤ交換などいつのことやら見当もつきません。そんな中、蔵では大吟醸50%の仕込みが順調に進んでいます。今の時期になると蔵人も手馴れたもので、それぞれの持ち場を正確にこなしております。少し離れたところでそれを見ている事が私の仕事になりました。なんと頼もしい事か。


2月15日
藤原杜氏日記23酒造年度vol.10
「役員会」
今日は午後3時から福井県杜氏研修会の役員会が福井市でありました。杜氏研修会と言うのは福井県下の杜氏さんたちの勉強会みたいなもので、12月には吟醸造りの講習会があり3月には出来た吟醸酒のきき酒会があり今回の役員会はきき酒会が主な議題です。私も役員の末席におりまして積極的発言なし、皆さんが賛成なら賛成、誰かが笑ったら一緒に笑うというような居ても居なくても良いような役員ですが今回は是非参加しなければなりません。越前鉄道で行きました。3時45分役員会終了。車で送ってやるよとのお言葉をチョット市内に用事がありますとお断りし第一目標の騒々しいけど丸い金属の玉を箱に入れて持って行くとお金をくれる所へ。頂きました。第二目標は腹ごしらえ軽く。なぜかラーメンと決めていた。そのお店のこだわりラーメンを注文し日本酒と行きたいところを我慢してビール。(日本酒にすると第三目標でえらいことになるので)大汗をかいて制覇。
第三の目標に到着。午後5時30分。何日も前から組んだタイムスケジュール通り。そこは全員同じ方向を向いて黒い眼鏡をかけて涙を流すところ。即ち映画「三丁目の夕日3D遍」です。大好きで今までのシリーズは全部みています。戻れるものならあの時代に帰りたい。涙を拭くために眼鏡をはずすとスクリーンがぼやけてしまうのが3D映画の欠点。
満たされた気持ちで帰ってきました。以上をもって役員会の報告とさせて頂きます。


2月14
藤原杜氏日記23酒造年度vol.9
「気が付けば2月半ば
最近、時間の過ぎるのがとても早く感じまして、ついこのあいだ1月が終わったと思っていたら今日は14日です。年を重ねてくると時間が過ぎるのが早いと聞いていましたが私もその年代になりました。其の分記憶力が激しく衰えておりまして、もの忘れがひどく自分でもイヤになります。昨夜の夕食で何を食べたか思いだせない。イヤ食べたのか食べなかったのかも思い出せない。さっきトイレに行ったのに忘れてまた行って、何しに来たか思い出せない。すぐそんなふうになるだろうな。
そんなことはさておき、秋に勝山にきてからまだ行っていないお店がありました。いつもは来たら直に行って御挨拶をするのに今回は行きそびれてしまいまして、夏休みの宿題が沢山残っている休みの最後の日みたいな感じでおりました。ある方からそれは不義理だと電話をもらい、その方を力に行きました。何事も無かった様に迎えてくれました。おいしいお酒でした。胸がすっきりしました。
蔵では「伝心 凛」の仕込みです。


2月8日
藤原杜氏日記23酒造年度vol.8
「大吟醸搾り
先月の11日に仕込んだ大吟醸が今日上槽(モロミを搾って酒と酒粕に分ける事)になりました。仕込んでから29日目の搾りです。モロミの段階で味と香りを十分確認したつもりでも、搾られて出てきた酒の味を確かめる時ほど緊張する時はありません。仕込みによって味はすべて微妙に違う訳ですからそれぞれの良いところと変化してほしいところを見つけておきます。2日から3日後に再度味を確認します。今回搾れた酒は少しヤンチャで元気な小学生といった感じで、この若さを保ちながら静かに熟成して一人前の酒に成長してほしいと思います。くれぐれも変に優等生になるなよ。個性があって良いのだから。
蔵内は気温が例年より低いけど風邪を引いている人も無く蔵人全員元気です。


2月3日
藤原杜氏日記23酒造年度vol.7
大寒波」
1月の中位まで今年は雪が少なくて楽だと思っていたらやっぱり来ました。新潟とか山形、青森などは例年と比べて2倍ちかい積雪なようですが勝山は積雪が特別多いわけではありません。今まで降らなくてまとめて降っただけです。沢山の友人からお見舞いの電話をいただきますが、けっして豪雪ではなく平年の冬ですと説明しています。ただ、寒さは特別に寒いです。蔵内の気温は6度ぐらいです。東北の人から見れば温室だと言われそうですが、結構こたえます。防寒のジャンパーを着ての作業です。
そんな中、1月は大吟醸の仕込みが例年のとおり行われました。蔵人全員で慎重に、ていねいに少しの間違いもないように仕込みました。体調を崩す人もなく無事終了。ほっとする間もなく伝心の凛の仕込みが始まりました。

今日は恵方巻きを無言で丸ごと一本を目を閉じて願い事を思い浮かべながら
北北西の方向を向いて食べる日です。
(私は以前、早食べの競争をして死ぬ思いをしたことがあります・・・皆さんも気をつけて。)


12月28日
藤原杜氏日記23酒造年度vol.6
「寒波 中休み」
4,5日前から続いていた寒さも今日は少し緩みました。それでも蔵の中は例年の様に冷え込んでおります。「伝心 雪」の仕込みも予定どおり終えました。明日、純米酒を仕込めば今年の仕込みは終わります。年明けは3日の大吟醸の洗米から始まります。
今年は3月の大震災などあまり良い事の少ない年でした。それでもその中で人間の心の優しさや思いやりなど感激する事も沢山ありました。自然の驚異、人間の無力、思い上がり。自然とは立ち向かうのではなく寄り添っていかないと。勝てないのだから。
今日は来年の良い年を祈って餅搗きがあります。31日は新酒奉納があります。心を込めて神さまに奉納したいと思います。今の仕事ができることに感謝して。 
一年間ありがとうございました。良い年をお迎え下さい。


12月16日
藤原杜氏日記23酒造年度vol.5
「今期最大級の」
天気予報によるとこの冬最大の寒波が来て雪が積もるとの予報がでています。構内の庭木の雪吊りも終了しています。普通、奥越に雪が降るパターンはまず雷が鳴りあられが降りそれから雪のシーズンになります。今年はまだ私の大好きな雷様が来ていません。夜、突然稲光がして間を置かずにこの世を真っ二つに割ってしまうかと思うような雷鳴が轟く。心のモヤモヤがどこかに吹っ飛びなんともすがすがしい気持ちになり窓のカーテンを開けて空を見ながら更に大きいのが来ることを願っています。今年は心のモヤモヤが溜まる一方です。
そんな事はどうでもいいですが蔵では「伝心雪」の仕込みが真っ最中です。今年の山田錦と五百万石も昨年と比べればとても素直で扱い米です。蔵人もそれぞれの担当を工夫しながら頑張っています。結果は努力についてくる。

ときどき蔵内で雷が鳴っています。
所詮人間の雷なんて、たいしたことない。
小さい小さい。

  

  


11月23日
藤原杜氏日記23酒造年度vol.4
「勤労感謝の日」
大分、秋らしくなってきましたが今日は勤労感謝の日です。こんな時節ですから働ける職場がありそこで仕事が出来るということは有り難いことです。感謝。感謝。そんな思いで蔵では伝心の「凛」の仕込みが進んでいます。「凛」の原料米は契約栽培の越の雫です。今年の越の雫は吸水にしても麹を造っても例年になく素直です。原料処理がうまくいけば思いに近い酒が出来るわけで、上槽の日を楽しみにこれから約1ヶ月もろみの管理をします。話は変わりますが、えちぜん鉄道勝山駅前広場が整備されロータリーが出来、前から保存されていた「テキ6形」という古い電気機関車の車庫もできております。もちろん電気も通っていて実際うごきます。パンタグラフはロープを手で引っ張って操作します。ほんとやざぁ。

    

  

   

             


11月10日
藤原杜氏日記23酒造年度vol.3
「遠来の友」
「こんど永平寺にえぐがら(行くから)べっこよってもえが(少しお邪魔してもいいですか)」と言う電話をもらい、旅館などを手配し楽しみに待っておりました。私が岩手でいつもお世話になっているひとです。23年前に子供をなくし供養のため夫婦で参拝すると言う。無事参拝を済まし、蔵を見たいと言うので案内しそれから、越前大仏、平泉寺と見てもらい夜は近くの宿で酒を飲みながら最近の岩手の話を聞いたり昔話に花が咲いたりととても楽しい時間を過ごしました。ただ、宿のおかみさんはわれわれの言葉が理解できないようで不思議そうな顔をしていました。


11月4日
藤原杜氏日記23酒造年度vol.2
11月だと言うのに」
紅葉のシーズンだと言うのに気温が高い。日中では暑くて半袖でも動くとすぐ汗が出てきます。夜も窓を開けてないと寝苦しいくらいです。朝晩キリット冷えると「よしっやるか」と思うのは私だけでしょうか。
先日、用事があって近くの写真屋さんに行ってきました。店内に飾られている沢山の写真の中に一際目をひく写真がありました。見れば何とかコンクール入選と書かれてありました。その写真のすごいこと。小学生ぐらいの子供を写したものですが、表情はもちろんですが立体的に飛び出ているように見えます。写す人がどんな気持ちになったときにあんな良い写真が写せるでしょう。衝撃のひと時でした。
蔵では伝心「土」が搾られています。


10月20日
藤原杜氏日記23酒造年度vol.1
「蔵入り」
すばらしい快晴のもと、昨年と同じメンバーで無事に蔵入りしました。特にも今年は震災で家を失い職場も失い大変な思いをしている人達が多くいる中でいつもと同じく酒造りの仕事が出来ることは幸せだと思います。これから約半年間その事を大事にして仕事にのぞんで行きたいと思います。みなさん宜しくお願いします。